イタリア版「食育の本」
通学用リュックの底から出てきた絵。「ピッツェリア」
6才の娘の最近のお気に入りは、かこさとしさんの「からすのパンやさん」。
私も大好きであった本であったので、娘にも買い与えたところ、毎晩町中に響くんじゃないかという大声で音読してから就寝するのがクセになってきた。
バイリンガルで育つ娘には、イタリアの本も日本の本もわだかまりなく読めるものらしい。
父親に買い与えられたのは、ルイス・セプルベダの「カモメに飛ぶことを教えた猫」とそのシリーズで、この本はもちろんイタリア語だ。枕元に、大好きな本がきちんと並べられている。
ガンベロロッソや子供の絵本のサイトには、子供向けの「食育の本」というのがいくつか紹介されていた。
イタリアの子供たちは、けっこう好き嫌いが多いのだ。
というのも「嫌いなものは無理して食べさせなくてもいい」と考える親が多いためで、見慣れない食材に対しては拒否反応を起こす子供も少なくない。
イタリアでも昨今は、子供たちの偏食や肥満が社会問題となりつつある。
親たちも、「とりあえず食べてくれれば安心」という思いが強く、お菓子であろうが甘いものであろうが、食べ物を口にしてくれれば体力がつくもの、と思いこんでいる向きもあるのだ。
イタリアのテレビには、日本と同様に「食」に関する番組も多く存在する。
しかし、その多くは有名なシェフの非日常的な料理法であったり、「食」に関するネガティヴな「問題」を扱った番組など、子供向けでないことが多い。
最初に目に入ってきた食材の色や形が、子供たちの食欲をそそらない場合でも、いずれはその食材が非常に美味であることを学ぶために、さまざまな絵本があるようだ。
こうした絵本は、子供だけではなく親たちの関心も喚起するために有効であると思う。
絵本によって、子供たちが「自分たちが口にするもの」がなんであるのか、「食べる」ということがいかに重要なことであるのかを楽しく学ぶことは、肉体上の健康だけではなく精神的な健康を維持するためにも効果がありそうだ。
というわけで、様々なサイトで紹介されていた「幼児向き」の食育本をご紹介。
①「みんなテーブルへ!食べ物について考えよう」
お米とはなにか、ピッツァはどのように作るのか、牛乳はどうやってみんなの口にはいるのか。トマトはいつ収穫できるのか。食材について知り、食べ物の旬について学ぶ本。
②「一日一個のりんご 」
健康な食生活を営むことは、大人にとっても子供にとっても大事なこと。学校に行ったり、友達と遊んだり、運動をしたり、夜よく眠るためにも、食事は重要な役割を果たしている。なぜ、朝昼晩とピッツアだけ食べることはいけないのか、果物や野菜や体に良いといわれるのはなぜなのか、子供たちの素朴な疑問に答える本。
③「なにを食べよう?」
- 作者: Rosalinde Bonnet,Felicity Brooks,F. Albini
- 出版社/メーカー: Usborne Publishing
- 発売日: 2014/09
- メディア: ペーパーバック
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おいしい食べ物はどのように生産されて食卓に届くのか。いくつかの簡単なレシピも載っており、子供たちがシールで楽しめる本。
④「食卓に遊びを取り入れよう」Aggiungi un gioco a tavola.
4才から11才までの子供を対象に、人間と食物の関係の重要性を語ることを目的に作られた本。いずれのサイトでも絶賛されており、個人的には表紙はあまり好きではないのだけど、いずれ買ってみようかなと思っている。両親とともに、味覚や触覚についてゲームをしながら学ぶ形態になっており、親に向けての章もあり。
(日本のアマゾンでの販売はなし)
⑤「なにを食べよう?」Cosa mangiamo?
日本のアマゾンでは、原作のドイツ語版が販売されているようだ。なぜ、人間の体は食べたり飲んだりすることが必要なのか、どんな食べ物を食べればより健康でいることができるのか、といった問題を、家族という単位で考える本。ともに料理することの大切さもうたっているそう。
⑥「子供たちと食べ物」ポップアップ式絵本
世界中の食文化を、ポップアップ式の絵本で楽しめる趣向。世界中に存在するさまざまなパンの種類、それぞれの国の伝統料理などが紹介されている。
⑦「フリゴリッロのちょっとした食べ物アドバイス」
主人公の「フリゴリッロ」は、食いしん坊でいつもお腹がふくらんでいる。洋服は入らなくなり、友達とサッカーもできなくなるほど太ってしまったフリゴリッロが、食生活を改善して肥満を解消するというお話。
我が家の娘は、幸いにして野菜はよく食べてくれる。
しかし、ニンジンやキャベツは火が通るとダメで、おやつには生のニンジンをガリガリと何本も食べているのに、料理に登場するニンジンはまったく食べない。
ほうれん草、インゲンマメはよく食べるけど、ズッキーニは食べない、といった具合だ。
食べず嫌いも多いので、「本当に嫌いかどうか食べてからいいなさい」と怖い父親に言われて、渋々口にはするものの味わう前に「やっぱり嫌い!」なんて言うことも多々ある。
食の嗜好は、大人でさえもちょくちょく変わるし、私もあまり深くは考えていない(もともとかなりの放任ママなのです)。しかし、こういった本は買い与えてみようかなと思っている。
さらに、青少年向きの食に関する本もいろいろあるようだし、たまには児童書コーナーものぞいてみなくては、と思っている。