イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

ラファエロ展に行ってみたけれど…

f:id:cucciola:20200720031339j:plain

この男の子は素敵だった

7月19日(日)

長い長いと思っていた7月もあっというまに半ばを過ぎ、もうすぐ娘もバカンス先から帰ってくる。

というわけで、彼女がいると絶対に行くことができないラファエロ展に行ってきた。夫も私ものんきで、行くことを決めたのは数日前。

お昼はどうしようという話になり、ピラミデにあるペンネストリに予約の電話をしてみたら、奇跡的に席が空いている。以前だったら、前日に予約なんてできないお店だったのに、Covid-19の影響は人気店でも顕著なのかもしれない。

 

f:id:cucciola:20200720033550j:plain

 

ローマの町はガラガラで、渋滞もなく観光客もなく、車で行ったにもかかわらず駐車場もすぐに見つかった。せっかくだから、カンピドーリオの近くに留めて、フォロロマーノを見下ろしながらクィリナーレまで歩いた。

 

美術展でがっかりしたのは、それぞれのセクションに5分しかとどまれないという変な規則。「密」にならないようにという工夫なのだろうけど、ろくに見たくもないタペストリーの部屋で無駄に5分過ごすより、じっと眺めていたい作品の前で鑑賞したいのが本音だ。

しかし、1つの部屋に入り5分が経過すると、カーンと鐘が鳴って追い出されてしまう。

鳴り物入りで始まったラファエロ展だし、超有名な作品もいくつか鑑賞できたけど、なんだか消化不良気味の見学だった。

f:id:cucciola:20200720032626j:plain

初期の作品はいい感じ

ラファエロの晩年から若き時代へとさかのぼる趣向なのだけど、私は断然初期の作品のほうが気に入った。なんというか、後半の作品は、「ご立派!お見事!」という感じで完璧すぎて、あまり感情を喚起させてくれなかったのだ。ラファエロという超大家の超有名な作品は、意外性がないというかアレゴリーが少ないというか、あらゆる場所で目にしすぎているのだろうか。ラファエロは確かに、私を西洋美術の世界に導いてくれた偉大な芸術家なのだけど、最近はワビサビ感漂う中世に惹かれていることも理由のひとつなのかもしれない。

ウフィッツィ美術館で、シモーネ・マルティーニやベアート・アンジェリコを見た時のほうが、よほど気持ちは盛り上がった気がする。

ラファエロが建築したマダマ宮のコーナーがあったのだけど、あれが一番興味深かった。「画家ラファエロ」ではなく「建築家ラファエロ」のほうが、ブリリアントに見えたのはなぜだろう。もちろん、美術館側のヘンなオーガナイズが気に入らなくて、私もへそを曲げていたのかもしれないけど。

お姉さんに追い立てられて、きっちり1時間10分で鑑賞終了。

時間をかぎられて鑑賞させられるなんて、ほんとうに最悪だと思う。まあでも、数週間前にウフッツィ美術館でお目にかかれなかった作品も見れたし、これはこれでよいとしよう。

帰り道、トゥルコラーナ街道沿いのジェラート屋さんで涼をとって帰宅。

f:id:cucciola:20200720051328j:plain

観光客がいないフォロ・ロマーノ、絵葉書みたいな写真が撮れる。

 

通常の8月よりもさらに閑散としたローマ、こんな風にのんびり楽しむ1日も悪くないなと思った次第である。