封鎖3日目
イタリア全土が封鎖されて3日目。
なぜか、ここにきて私は仕事が山積みになっている。
今日は、昼過ぎに日本のクライアントから直接連絡があった。時差も考慮して連絡してくれることをありがたく思う。
娘の送り迎えがなくなり、途切れることなく仕事ができるのはありがたい。
夫も忙しそうで、私たち夫婦は家にこもってしゃかりきに働いている感じだ。
昨夜、コンテ首相のアナウンスによって今日からバールやレストラン、お店も閉店となった。食料品、医薬品、銀行や郵便局、タバッキオ、新聞スタンド、ガソリンスタンドなどは営業を続ける。
ここにいたって、イタリア人も急に秩序を重んじるようになった。
チャットも静かになり、声高に誰かを非難するという行為はほとんど見られない。
もう誰を責めたところで始まらないのだ。目の前にある現実を見据えて、万全を尽くすよりないではないか。それよりも、思わず吹き出してしまうようなブラックジョークが次々に流れてくる。
イエスキリスト:今年の復活祭は地上に降りないよ。感染が怖いから。
イタリア人:大丈夫、僕らがそっちに行くから。
こんな状況でもユーモアを忘れないイタリア人はたくましいな、と思う。
twitter上で、イタリアに暮らす日本人とちょっと交わす会話もよい慰めになっている。
封鎖になって不便しているだろうとか大変だろうというメッセージが日本から届く。
しかしもともと引きこもり体質の私にとって、娘の学校やお稽古ごとの送り迎えがなくなっただけで生活自体はあまり変わっていない。
それに、封鎖されて万全を期しているという思いの中にいるほうが安心できるというのも本心だ。感染者は、この後も増えるだろう。しかし、その増え方が少しでもなだらかになってほしい。イタリア人は今、本当に同じ方向を向いている。
コンテ首相は、イタリア国民に向けて次のようなメッセージを送ってきた。
Rimaniamo distanti oggi, per abbracciarci domani. Fermiamoci oggi, per correre piu`veloci domani.
(今日は互いに距離を置こう、明日は心ゆくまで抱擁しあえるように。今日はここにとどまろう、明日は思いっきり走るために)
陳腐な悲壮感などない、シンプルで力強いメッセージだと思う。