イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

ここ50年で最も寒い9月

9月29日(火)

娘の誕生日イベントも無事に終了し、9月も終わりだ。

先週の土曜日に、クラスの仲良しさん5人だけを集めて誕生会をした。小学校も5年生ともなると、クラス内の派閥意識はかなり高くなるらしい。感染の危険を避けるためにも、普段から気が合う男子3人、女子2人を招待して近くの森林公園でピッツァを食べて遊んだ。この日も異様に寒くて、かろうじて曇っていた午前中は子どもたちはサッカーやピンポンに興じていた。午後雨が降ってくると、私たちが持参した卓上ゲームで楽しみ、見ている私も心が和む。娘の彼氏はとてもおとなしいのだけど、娘が言うのには「今日は彼はとても楽しんでいるのよ」とのことだ。毎度のことだけど、素敵なラブレターが彼から届けられる。

昨日、9月としては初めてのことだが暖房を入れた。タイツ、ヒートテック、ダウンのコートが9月に登場したのも初めてのことではないだろうか。昨日までは冷たい雨が降って、気分は最低まで落ち込んだ。

今日はなんとか晴れたものの、空気は秋をすっ飛ばして冬だ。さすがにまだ暖炉に火を入れている家庭はないらしく、煙突から煙が出ることはないから洗濯物は外に干す。乾きが悪いのでアイロンをかけると、じゅわっと秋の匂いが衣類から立ち上った。

私はもともと、9月という月は体調をくずして精神的にも落ち込むのが常だ。今年は多忙で、そんなジンクスも感じる必要がないかと安堵していたのに、ここ2週間ほどあるクライアントに悩まされ続けてそれは今も続いている。

朝起きてケータイを見ると、このクライアントからの罵詈雑言とも思しきメッセージがガンガン入っている。毎朝のことだから覚悟をして読むのだけど、暴言というのはなかなか慣れるものではないのだ。読んだ後は、しばらく頭が真っ白になってほかのことが頭に入ってこない。ほんとに胃に穴が開きそうなのだけど、最近ではそっちがその気ならこっちもとことん要望を聞き入れて意地を見せようくらいに思っている。反論したところで事態は悪化するだけなのだ。はいはいとなんでも聞いて、さっさと終わらせて縁を切りたい。私は粘り強さだけが身上なのだと苦笑せざるを得ないけど、これまでの自分の仕事の仕方を振り返るいい機会にはなっている。これまでのクライアントさんは、本当に良い人ばかりだったのだ。それは感謝しなくてはいけない。

昨日は、ロックダウンが解除されて初めて夫がトリノに出張した。早朝に家を出て、夜遅く帰ってきたのだけど、この寒さのなか家に入るまでに来ているものを次々と脱いで洗濯機へ放り込んでいた。電車の車両には、夫以外ほとんどいなかったそうだ。アルコールでコンピュータやケータイ、持ち物もしっかり消毒して万全を期す。

とはいっても、周辺では感染が広がりつつある。長期療養型の病院でまたクラスターが発生し、私たちの地区にある保健所の管轄内では59人の陽性者が確認されている。広がっているのは感染だけではない。学校が始まって、信ぴょう性のない情報が垂れ流されてくるようになった。いわく、学校がある町のサッカークラブで陽性者が出たからこのクラブ員と交流のあった人は学校に行ってはいけない、などなど。

ほんとにいろいろあるけれど、前を向く余力だけは残っている。ツィマーマンのショパンを聴きながら、秋の夜長を過ごすのもいいものだ。明日の朝はまたグサグサと読むのもつらいメッセージが届くのだろうけど、今夜はピアノの音色と吉田修一さんの著作で自分の心を癒す。