どん底が見えない
3月20日(金)
今朝、起きたら日本の友人からメッセージが届いていた。
高校時代の友人4人のチャットに、イタリアの状況を心配してメッセージをくれたのだ。普段はやいやいとメッセージを送る人ではないから、よほど心配してくれたのだろう。
チャット上でこちらは大丈夫と伝え、しばし友人たちとおしゃべりをした。こちらの気持ちを察して、イタリアはイリョーホーカイしてるでしょなんていわないところがありがたい。
とはいえ、状況は一向に好転しない。
今日は、ラツィオ州でも初のレッドゾーンが発生した。フォンディという街が、感染源となって完全封鎖。
娘が通う学校がある町も、40人の尼僧が感染していることが判明。
北イタリアは軍隊が出動している。
子どもたちが学校に戻れるのは、最悪9月になるかもしれない、エトセトラエトセトラ。
おまけに、夕方の記者会見で本日1日の死亡者数は627人と発表された。
衝撃的な数字だが、政府はピークがひょっとしたら2週間先かもしれないと言い出している。
それまで、この数字はひたすら上昇を続けるのだろうか。ここまでの惨状となってもまだどん底ではないのだ、と思うとさすがに気も萎えてくる。
なんだかもう、「欲しがりません、勝つまでは」の心境である。
スーパーの営業時間も短縮されるかもしれず、そうなれば本当に必需品だけを購入する必要がある。ちょっと小腹を満たしてくれるおやつなんて買ってる余裕はないのだ。
それに、こうも身近にコロナウィルスが迫ってくると、毎日の食生活はこれまでになく「体にいいものを」という感じだ。ポテトチップ買ってきて、なんて寝言でも言えそうにない。
朝から晩までニュースを追っていると、その更新は目まぐるしい。
悪いニュースばかりではなくて、1つの呼吸器で2人の患者に酸素を送る技術も生まれたという。
ニュースサイトのトップ記事が目まぐるしく変わるのを見れば、政府も現場も必死なのが切実に伝わってくる。
せめて、食べるにも困らず呼吸もできるわれわれは、おとなしく家にいるくらい朝飯前ではないか。
週明け、イタリアは寒波におそわれる予想。寒さでウィルスが活発化しないことを切に祈る。