箆棒(べらぼう)なことでねえか!
4月11日(土)
お日様はすっかり春そのものだが、我が町は昨日まで空気が冷たかった。
復活祭に入ったとたんに、空気まで春の薫りが漂うようになった。皮肉なものだ。
午前中、姑から電話が入る。朝、開店前にスーパーに並んだけどすでに長蛇の列。買い物はあきらめたといっていた。
「生まれて初めて子羊を食べない復活祭だけど、1人だもの。どうにか食べるものはあるからいいわ」
とさばさばしたものだ。
我が家も、夫が農家直営市場に出かけて、野菜と復活祭のパンだけは買ってきた。あとは特別なことはしない。
天気が良いので、私は日向ぼっこしながら読書。
夫はベッドの上でドストエフスキーを読んでいた。
午後に「鬼怒川」を読了。
主人公のチヨさんが、「そりゃおまえ、箆棒なことでねえか!」と怒鳴るシーンが何度も登場した。
まったく、今この世の中で起こっていることも「箆棒なこと」でなくてなんであろうか。
夕方になって、娘が「私、ピッツァ食べないと死んじゃう!」と言い出した。
何度買い物に行っても強力粉が手に入らないので、封鎖が始まって初めてのデリバリーを手配。
デリバリーは21時半と聞いてびっくりし、夫が「僕が取りに行ったらもうちょっと早くできますか」と聞いたら、今許されているのはデリバリーだけだと断られた。うん、そうだ、そうだよな。接触は少なくないと。
というわけで21時半に無事に到着、ほぼ1か月ぶりのピッツァを食べた。
私は、ピッツァが嫌いではないのだがいつも半分も食べられない。胃があというまに膨張してしまうからだ。それでも、ブロッコリとサルシッチャののったピッツァは美味であった。ピッツァの生地を使って揚げたドーナツも、箆棒なほどおいしかった!
Amazon Primeで見ることができる動物のドキュメンタリーが尽きてしまったので、最近は古代エジプトのドキュメンタリーを見ている。娘が、学校の歴史の時間にエジプトについて勉強して、興味を持ち始めたからだ。
古代のファラオたちの墓は盗掘で荒らされたことがよく知られているけれど、実はピラミッドの建設中から内部の絵を描く職人たちがお宝を盗んでいたこともあったのだそうだ。イタリアでも、窓の交換工事に入った業者と泥棒グループがつるんでいたなんて事件があったけれど、数千年このかた人間は変わらないものだと変なことに感心した。
箆棒なことは、なにも今だけ起こっているのではない。箆棒なことの繰り返しが、歴史というものなのだろう。