イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

解放記念日

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週末のお約束ピッツァ

4月25日(土)

本日は、イタリアの解放記念日であった。

マッタレッラ大統領が、たった1人でヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念堂の階段を上っていく姿は、これまでになくイタリア人の心を揺り動かしたに違いない。

 

www.ilsole24ore.com大統領は階段を上る前にマスクをとり、マスクをした衛兵に見守られて祭壇にこうべを垂れた。

ひとっこ一人いないローマと、ぽつねんとした大統領の影。

私はイタリア人ではないけれど、今日の大統領の様子を眺めながら、この国が見事に立ち直ることを心から祈った。

 

昨日から続く体の不調は相変わらずで、今日は頭痛と肩こりがひどくて薬を飲んだ。どよーんとした気分だというのに、夫はがたがたと浴室の掃除を始めた。彼の掃除はまるで年末のそれで、浴室内にある家具まで外に出して徹底して行うのである。そうなれば手伝わないわけにもいかず、まったくストレスな土曜日であった。

 

娘は今日から、日本人学校のオンライン授業が始まった。

新しい担任の先生とも面識はなかったから緊張していたようだけど、クラスのムードメーカーがオンラインでも大いに笑わせてくれたらしく、部屋からは賑やかな笑い声が響いていた。通常とは異なる状況の中で、先生たちも授業の準備で苦心惨憺だと思う。こんな形でも授業をしてもらえることは、本当にありがたい。

 

デリバリーのピッツァが思いのほか美味しくて、今日は3回目の注文。

変わりばえのない毎日の中で、自宅まで届けてもらえるピッツァは大きな喜びである。

普段は水以外の飲み物といえば絞ったオレンジジュースしか飲ませてもらえない娘も、ピッツァのデリバリーの日だけはパパの許しをもらってファンタを飲んでいる。

ああ、ささやかな幸せ。

 

コロナの状況は一進一退、2万人以上の死者を出している欧州の各国はフェーズ2に進むのにそろって腰が引けている。あわよくば、最初に外出制限を解除した国の状況を見て決めたいというのが本音ではないだろうか。

わが町では、今日から監視用のドローンが飛びだした。レッドゾーンとなった病院をテリトリー内に抱えているという事情もあるのだろうけど。

果たして5月4日、私たちはなにかから解放されて、コロナからわずかでも自由を得ることができるのだろうか。

解放記念日の物思いである。

 

窓の外は、燕たちがけたましく鳴きながら跳び回る季節になった。風はまだ冷たいけれど、確実に季節だけは移ろいつつある。