イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

ギリシア人に救われる週末

4月19日(日)

封鎖になってこのかた、週末は本当に憂鬱だ。

天気が良くても以前のように思い立って出かけることもできないし、気分を変えて外食しようというわけにもいかない。

ニュースを見ればコロナづくしだし、最近は食事の時間も以前は見ていたニュースはやめてドキュメンタリータイムになっている。

 

学校の授業がエジプトの歴史に入ってきたので、エジプト関係のドキュメンタリーをひたすら見ていたのだが、今日はギリシア人のドキュメンタリーを見た。

オリンピックも民主政もすべてギリシア生まれなんだよ、と娘に教える。

私もギリシア人に刺激されて、久々にペルシア戦争の歴史を読み始めた。

読み始めたら止まらなくなり、マラトンの会戦、テルモピュレーの死闘、サラミスの海戦と読み進んで、いまはプラタイアの戦闘までたどりついた。

映画の主人公にもなったスパルタのレオニダス王や美男のテミストクレスの活躍を読んでいると、週末の憂鬱も吹っ飛ぶ。スパルタ人の石頭ぶりや、ヘンデルのオペラの名前にもなっているペルシア王クセルクセス(オペラだと「セルセ」なのかな)のお人よしぶりも愉しい。

昨日夫が市場から買ってきたイチゴをつまみつつ、古代ギリシア世界にどっぷりつかり、日曜日を過ごした。

現実の世界に戻れば、フェーズ2への移行に頭を悩ますイタリア、感染拡大に必死の日本、とどちらを向いても心が重くなる。

今日はコンピュータも日中は開かず、ケータイもあまり手にしないで過ごした。

ああ、紙の書物のありがたさよ。キンドルは海外に住む私にとっては必須のありがたいアイテムではあるけれど、紙の本を開くという行動にはきっとセラピーの効能もあるに違いない。

 

バタバタしているのは、政府だけではなく学校も同じである。

イタリアの学校は、イタリア語だけではなく歴史の授業もオンラインにする意向のようだし、日本人学校の補習校もZOOMを利用して新学期を開くという連絡が届いたばかりだ。

学校も政府も、前代未聞の事態に手探りの状態がしばらくは続くのだろう。

とはいっても、今日は壮大なるギリシアの歴史を読んだものだから気も大きい。

民主政やオリンピックを生み、300の兵で2万のペルシア兵に立ち向かった人間が過去にいたのだから、と思えるのが書籍の良いところである。私が単純なだけなのだろうけど。

 

今夜は、封鎖から2度目のピッツァを注文。

自宅で料理しないというだけで、かなり気分は変わる。

ピッツァを食べながら見たのは、2000年に我が家の近くで発見されたという古代ローマ貴族の墓とミイラのドキュメンタリー。

www.youtube.com

どうやら母と若き息子が埋葬されたということらしいけど、当時一世を風靡していたエジプト文化に感化されてミイラにされることを願ったらしいという内容。ローマ帝国には、宗教でさえもはやりすたりがあったのかとびっくり。非常に良質なドキュメンタリーだった。

 

ここ数日、コロナウィルスに関する興味深いニュースがあった。

コロナウィルスによる肺炎が死因とされてきたいっぽう、じつはコロナウィルスによって血栓症が誘発され亡くなる可能性が高いのだとか。

www.repubblica.it

それでは、今からまたプラタイアの戦闘に戻る。ここを読み終わらないと、今夜は眠れそうにないので。