同じ船の上で
3月28日(土)
気がつけば、もう3月が終わろうとしている。
もはや時間の感覚などあまり意味をなさなくなっているが、明日からはサマータイムである。
イタリアは相変わらず死者数の数では世界で最も多いのだけど、ブルガリは消毒ジェルを、アルマーニは防護服を、アマーロのラマゾッティも消毒液の生産を始めた。
グッチもプラダもフェンディも、それほど高名ではない工場でも、足並みをそろえて医療品の生産を開始したそうだ。
www.gqitalia.itそして、長期間にわたって仕事ができないために、日雇いで仕事をしていた人たちはすでに生活が詰まり始めている。
今朝、私はこんなツィッターを載せた。
パレルモでスーパー襲撃。「お金がないから」。封鎖が長引くと治安も悪くなる。
— cucciola (@cucciola1007) 2020年3月28日
Coronavirus, a Palermo tentato assalto al supermarket: “Non abbiamo soldi”. Forze dell’ordine presidiano i centri commerciali https://t.co/Nkr7GAupBE @fattoquotidianoさんから
長引く封鎖で、このような事件が多発して治安が悪くなることは必須だと思っていたのである。
ところが夕刻、コンテ首相が再び会見。
生活に困る人々のために、約480億円を拠出すると発表した。
その時、彼はこうも語った。
「我々は、同じ船に乗っている。1人も落伍者を出してはならない」
次々と困難は襲ってくるけど、コンテ首相はそれにもめげずに時を経ずしてくさびを打っている。
コロナウィルスの感染拡大は、この上ない不幸である。しかし、コンテ首相のようなキャプテンが存在し、最前線で活躍する医療従事者を支えるべくさまざまなブランドが迅速に生産工程をアレンジする。
こうした事象は、本当に不幸中の幸いだと思う。
願わくは、こうした貴重なお金が変なマフィアに絡まずに本当に生活に困る人々のもとに無事届いてほしい。
今日の午前中は、日本の家族とチャットをした。
この週末、日本は不要不急の外出は控えるよう呼びかけられている。
私が断固反対したので、母は来週の美容院もキャンセルした。
毎週水曜日の病院ボランティアも、しばらくは休んでほしいと思う。気管支の弱い母がコロナウィルスを拾ってしまったら。。。と思うだけで血の気が引く。母のもとに飛んでいきたくでも、日本到着後に2週間の検疫が待っている。
1人暮らしでつらいのはよくわかるのだけど、今は頼むから家に引きこもってほしい。
イタリアの情勢も楽観できないけど、感染者数が増えつつある日本のことも本当に心配だ。