花冷えの金曜日に
4月3日(金)
気がつけば金曜日である。
外出制限となって、ストレスがたまるのなんのと文句を言っているうちに、1週間はあっというまに過ぎていく感じだ。
我が家は幸いなことに、夫が月曜から金曜までは普通に仕事をしている。だから、曜日の感覚はなんとなくある。
外は陽光が明るいけれど、今日は寒かった。
今日は娘はオンライン授業で、夫は仕事のことで声を荒げていて、家の中は喧々諤々、殺伐とした雰囲気が漂っていた。
お昼の時間を狙って買い物に行った夫だけど、今日は長蛇の列であえなく脱落。
午後からのオンライン会議にまにあわないからと、用を足さずに帰ってきた。
なに、多少食材が減っても、トマトソースのパスタなり、ツナのパスタなり、お腹を満たすものはあるのだ。じたばたしなくても大丈夫。
今日のニュースによれば、いま世界の半分の人が外出制限の中で暮らしているのだそうだ。
将来、歴史の本が描かれたら「2020年は、人類にとって戦後最大の危機に見舞われた年であった」と書かれるのであろう。生き証人として、しっかり生き抜かなくては。
ロックダウンされたときは、日記をつけるのがよいなんて記事もあったから、このブログはおあつらえ向きだ。
最近、山崎豊子の「女系家族」を読んでいる。大阪の船場のドロドロぶりは、こんな時期だからかえって頼もしい。あのくらい、ドロドロの執念をもって生き抜けば、コロナのほうも逃げていくに違いない。船場のお嬢様たちは、お金の計算にも細かい。お金が有り余っているからといって、どんぶり勘定などしないのである。一銭たりとも損はしたくない!というあの執拗さが政治家にあれば、税金の無駄遣いだってしないに違いないなどと、つらつらと考えながら読んでいる。
「なんたるざまどすか!」
なんてセリフも、小気味よくてよい感じだ。
来週の水曜日から、学校の先生たちは復活祭の休暇に入るのだそうだ。
いや、先生たちだけじゃない。今は在宅で働いている会社員だって、欧米はみな復活祭になるのだろう。
こんな時期、復活祭休暇なんてとるより、いつものように働いているほうが精神的にはラクなような気もするけれど…。
夜は、ドキュメンタリータイム。
娘は最近、「ドキュメンタリー見よう!」というので、封鎖になってから動物のドキュメンタリーをよく見ている。
昨夜は、登山家のライホルト・メスナーのドキュメンタリーを見た。断崖絶壁の山々を見ていたら、軽く車酔いのような気分になってしまった。
なにを見ても、コロナ以前の世界なのだと思ってしまう。
コロナ以前、コロナ後。
その分岐点に、私たちは生きている。