イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

泣きっ面に蜂

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5月9日(土)

夫は、来週の金曜日に大学のオンライン授業で抗議するそうで、その準備でピリピリしている。

そろそろ食材が心細いので、買い物に行かないといけない。夫は今日は仕事から手を離せないというので、私が歩いて町のパン屋や八百屋に行こうと思っていたところ、夫は「今日は農家直営市場があるから、あっちの方がいいよ」という。

私は車の運転は避けたいというのが本心で、なぜか今日はまったく気が乗らない。

しかし、頑固な夫が言い出したら聞かないから、しぶしぶ車で出かけることになった。

予感は的中し、車のエンジンがかからない。封鎖中も、夫が買い物に行くたびに私の車を動かしてもらっていたのだけど、今日は完全にバッテリーがイカれてしまってる。

というわけで、不機嫌な夫をさらに不機嫌にする結果になったのだけど、車をつないでもらいなんとか出発した。

単独のスポーツが解禁になったせいか、自転車で山を登ってくる人たちが多い。久々の運転だから充分気をつけてはいたものの、道に広がって走る自転車はかなり怖かった。

 

青空市場は、入場制限をしているため少しばかり待つ。

土曜日だから込み合っているし、いざ中に入ると野菜や果物もだいぶ売り切れてしまっていた。今日は、本当についていない。

いんげん豆、グリーンピース、サラダ、リンゴ、モッツァレラチーズ、パンなどを買い、さあ家に帰ろうとしたら、再びエンジンがかからず。

うんざりしながら、また夫にSOS。だから今日は運転が嫌だって言ったのにと内心悪態をつきつつ、夫を待つ。

ようやくエンジンがかかって家まで戻れば即お昼。

土曜日だというのに、イタリアの学校のオンライン授業が入っていた娘が「ママ、大変だったねー」とねぎらってくれた。

それにしても、バッテリーが上がってしまうくらい車も使用せず、封鎖のあいだじゅうまじめに家に籠っていたのだと、ヘンなことで納得した。

 

弱り目に祟り目の事象は、昨夜から始まっていた。

昨夜、アリタリアから連絡が入り、6月の終わりに日本に帰国するために私が予約していた便がキャンセルになったという。まあ予想はしていたけれど、いざ本当にそんなことが起きると、国境を越えたところに入る身としてはかなりつらい。

そんなこんなで、夕刻は毎度のことながら気分はさらに沈鬱に、もう今日という日が早く終わってほしいと思うばかりだ。

 

唯一嬉しかったのは、最近イタリアの学校の歴史の授業で古代を勉強している娘が、私の本棚からいそいそと雑誌や書籍を持ち出していることを発見したことだ。むろん、まじめに読んでいるわけではないだろう。しかし、親の本棚から書籍を持ち出すのはよい傾向だと、今日はこれだけがうれしかった。

夫のこの不機嫌が、次の金曜日まで続くのかもしれないと思うと本当にヘヴィー。

夕食後もろくに口を利かず、私はベッドでメンデルスゾーンの三重奏を聴いて元気を出す。

赤毛のアンシリーズも、3冊目に入った。今日は早めにお風呂に入って、アンの世界に入ってしまったほうが精神的に良さそうだ。