愚痴らず振り向かず
6月1日(月)
じつは、今はもう6月2日になっている。
真夜中12時過ぎ、ようやく今日の仕事終了。
ここ数日は、世間さまと同じように我が家も外へと向かい始めている。
日曜日には、近所のアルバーノ湖に友人家族がやってきた。カステル・ガンドルフォを眺めながら、子どもたちは水際で泥遊びをした。
今日からは、娘の新体操のレッスンが再開された。
参加者は、わずかに5人。先生は2人。入り口で検温し、靴を脱ぎ、親のサインをした書類、自分専用のマットレスを持参する。
娘の年代は他には誰もいなかったので、少し大きなお姉さんたちと運動をしてきた。
「ママ、開脚をしようにも足が鉄みたい。全然動かなかった」
とは、レッスン終了後の娘の言である。
帰り道、学校の前を通過。子どもたちを迎えなくなった学校の周辺には、雑草が伸び放題に伸びていた。考えてみれば、通常通り学校に通っていれば数日後には夏休みだった。間近に迫ったバカンスに胸を弾ませて、子どもたちが駆け回る姿が一瞬まなうらをよぎった。
友人夫婦は、日曜日にこう言っていた。
「ロックダウン中は、週末になにをしよう、子どもたちをどこへ連れて行こうなんてことも考える必要がなかったわ。気が進まない友人からの誘いを断る理由を考える必要もなかった。ロックダウンは、私個人にとってはポジティブなものだったわ」。
マスクが手放せない状況の中で、以前のように抱擁しキスもできない新たな世界の中で、みんな愚痴らず振り向かず、静かに外の世界に出始めた。
本当に手探りではあるけれど、新しい秩序の構築のために私たちは生きていく。
6月2日は、共和国記念日だ。2020年のこの記念日は、イタリア人にとっても記憶に残るものになるのだろう。