イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

クリームパンと月桂樹

9月20日(土)

今週は、本当にヘヴィな1週間だった。

学校が再開し、生活のリズムが一気に変わった。そこへもってきて、今週は仕事で非常に苦労をした。にもかかわらず、達成感が皆無の仕事で私はかなりへばっていた。クライアントさんはとても感情的で、送られてくるメッセージから湯気が出ているかのようだ。あっちが感情的になったからといって、こっちも同じ対応をしたらすべてが決裂してしまう。私は見えないちゃぶ台をひっくり返しながらも、感情を押し殺してひたすら淡々と対応した。久々に蕁麻疹まで出て、ああ私はストレスにさらされているなあと思ったものだ。

慌ただしさとは別に気分は落ち込んだまま、1週間はまたたくまに過ぎた。

今日は土曜日、日本人学校の日であった。

日本人学校に親友がいる娘は、先週から大喜びで学校に戻っている。母の私も、ママ友なんていう陳腐な言葉では表現したくないほど素敵な親友と会えるので、土曜日はうれしい日である。

今日はなんとその友人が、私のために「おみやよ」といってクリームパンを作ってきてくれた。彼女のブログで見るクリームパンは、つやつやとしていつもおいしそうだったけど、まさか私にまで?とひたすら嬉しかった。

コロナの影響で、父兄は校内に入ることができなくなったため、日本人学校に子供を連れてくる親は居場所を見つけるのに往生している。コーヒー一杯で3時間バールで粘るわけにもいかないからだ。

ところが今日は友人が日本食材のお店に連れて行ってくれて、私はすっかり舞い上がった。いろいろ目移りしてしまったのだけど、必要なものを買い込んですっかり満足。

お菓子がおいしいバールでいろいろ語り合いつつ、彼女がわたしの窓になってさまざまな世界を見せてくれるのだなあと実感する。普段は、田舎の町で自分と向き合って仕事をしている私にとっては、この友人との語り合いはまるで1週間の疲れとストレスが浄化されていくようだ。

家に買ってきて待ちきれず、「少し温めて食べてね」という友人のアドバイスも無視して、娘と1個目のクリームパンを半分こ。「ママ、日本のパンの香りがするよ!サイコー」と娘もテンションが上がりっぱなしだ。

優しい黄色のカスタードクリームの甘さに舌鼓を打ちながら、幸福感をかみしめた。

いっぽう、学校が終わった娘は私に小さな紙袋を差し出した。なかには、緑も鮮やかな大きな月桂樹の葉っぱがたくさん入っている。この葉っぱは、娘の親友からのプレゼントなのだそうだ。日本人学校の校庭にも月桂樹があって、娘とそのお友達が先週葉っぱを摘んできてくれたのだ。ところが今日のプレゼントには、

「先週校庭で摘んだ葉っぱ、ひょっとしたら汚れていてキオちゃんが病気になったら困るから、家の月桂樹のきれいな葉っぱを持ってきたの」。

という口上つきだった。ありがとう。これで、おいしい煮込みを作ろう。

母も娘の、親友の愛を実感した土曜日。

これをパワーに、新しい1週間もがんばろう。