イタ飯百珍

イタリアが「他国に負けない!」と気を吐いているもの、それが「食」!最近は備忘録。

引きこもり体質再確認

5月3日(日)

外出制限令が出て、最後の週末となった。

明日からは、封鎖が一部解除となる。

それでも、基本的に州を超えることは禁止されているし、わが町は公園ももうしばらくは閉鎖と伝えらえた。

とはいえ、ソーシャル上では喜びがあふれている。トスカーナ州では、政府に先駆けて散歩が許可されたとかで、5月の美しさを堪能するような写真がずらっと並んだ。

外出に合わせて髪の毛を染めている人もいる。

レストランやバールは、お持ち帰りが可能となる。デリバリーやテイクアウトだけでは6月までもたない!と怒っているシェフの記事が新聞に載っていた。当然だと思う。彼らが怒るのは当然だ。でも、今レストランをオープンして、誰が食べに行くのだろうか。私はまだ、怖くて外食する気持ちにはなれない。本当に申し訳ないことだとは思うけれど。

それに、イタリアは日本ほどお弁当の概念が定着していない。冷めても美味しいお弁当メニューも少ないだろうし、各家庭に電子レンジがない確率も高い。買ってきたお弁当をチンというわけにもいかないのだ。これは、イタリアのレストランには不幸なことだ。

 

ここにいたって、私は本当に引きこもり体質なのだと実感する。

今日は山の町も初夏らしい太陽が照っていたけど、禁をやぶってまで散歩に行こうなどとは思わないし、明日からを思って心がウキウキなんてこともない。外出できる、わーいと盛り上がれる人がうらやましい。私は、やはり家で過ごすのが好きだ、と再確認した。

 

学校もオンラインが続くようだし、唯一変わるとしたら夫が水曜日に会社に行くと言い出したことくらい。事務上の手続きで、どうしても物理的な出社が必要なのだそうだ。その帰りに、2カ月会っていない姑のところに寄るといっている。

 

午前中は夫がまたガタガタと大掃除を始めて、掃除嫌いの私は憂鬱。しぶしぶお手伝いをする。

午後は、日向ぼっこをしながら娘と『赤毛のアン』を読む。娘の本は児童書だけど、私のは村岡花子さん訳。マシュウがアンに贈った袖の膨らんだドレスは、児童版も茶色で安心した。

しじゅう登場する「お茶の時間」に刺激を受けて、リンゴのケーキを焼いてみた。

時間をおいて『赤毛のアン』を読めば、私はもうマリラの年齢に近い。彼女が頭痛もちであったところを読むと、親近感がわく。

このまま、シリーズをもう一度全部読んでしまおうかなあと思っている。

 

明日からは、ウィルスと共生するフェーズに突入する。

コンテ首相は、ひとりひとりが責任をもつことを呼び掛けている。これが正しいという手引書などない、個々がルールを守ることだけが健康と安全を保持できる唯一の方法だ、と語った。

政治的手腕はわからないけれど、コンテ首相の言葉はこの2カ月イタリア人をよくまとめてきたと思う。

天と地がひっくり返ってしまったようなここ数か月。明日から、変わってしまった世界に向けて人々は家から出ていく。