綱渡り
4月7日(火)
昨夜、コンテ首相の会見があった。
なんと、今後訪れるであろう経済危機のために4000億ユーロを投入するのだという。
この金額を100パーセントいかれせば、イタリアは再生できるかもしれない。
しかし、失敗したらどうなるのだろう。
まさに綱渡りではないかと背筋が寒くなった。首相も、背水の陣を敷いたのだろう。
戦後の最大の危機とか声高に叫ばれているけど、こういう具体的な数字が登場すると本当にそれを実感する。
彼が、パオロ・ジョルダーノが書いたエッセイを超人的なスピードで訳し出版することになった。
一部が、無料公開されている。
「僕は忘れたくない」で始まる数々のフレーズを読んでいると、本当にこの1か月はジェットコースターのように過ぎたなと感じる。どれ一つとっても、うんうんとうなづけることばかりであった。
人類とウィルスの戦争だともいわれているけれど、パオロ・ジョルダーノはそうした風潮を戒めて、このように語っている。
「今度の緊急事態は戦争と同じくらい劇的だが、あくまで別物として対処すべき危機だ。今、戦争を語るのは、言ってみれば恣意的な言葉選びを利用した詐欺だ。完全に新しい事態を、よく知っている気になってしまう他のもののせいして誤魔化そうとする」
言葉選びも、綱渡りみたいだなと思う。
言葉をおろそかにすれば人災を生み出すし、陳腐な感情も喚起してしまう。
言霊とはよくいったものである。
今朝は、娘の日本人学校からも新年度の担任の先生から連絡がきた。
教科書もまだ手にしていないのに、日本人学校の小4に進学したことになる。
娘たちが年齢を重ねた時、この2020年の春はどのように思い出されるのだろう。
さて、気分を変えてカルチョーフィでも料理しますか。